10月に入ると、お店の棚がオレンジと黒に変わります。かぼちゃ、おばけ、魔女。毎年のことなのに、なぜこの組み合わせなのか、考えたことはありますか。
実はハロウィンは、もともとかぼちゃの祭りではありませんでした。元をたどると、遠い国の「夏の終わり」の祭りに行き着きます。
この記事では、ハロウィンの由来、仮装する理由、かぼちゃの前はかぶだった話、そして日本で広まった流れまで整理します。
🎃 ハロウィンの由来 古代アイルランドの「夏の終わり」の祭り
ハロウィンの始まりは、古代のアイルランドの祭り「サウィン」だとされています。アイルランド大使館も、アイルランドをハロウィン発祥の地として紹介しています。
サウィンは「夏の終わり」という意味
サウィンは、アイルランドの言葉で「夏の終わり」という意味です。
古代ケルトの人々は、この時期に収穫の終わりを祝いました。たき火をたき、ごちそうを囲み、祭りの儀式を行っていたとされています。
10月31日は、昔の大みそかだった
なぜ10月31日なのか。それは、古代ケルトの暦では、冬の始まりの11月1日が新しい年の始まりだったからです。
つまり10月31日は、一年の最後の日、大みそか。夏が終わり、冬が始まる、季節の大きな境目の夜だったんです。
👻 なぜ仮装するのか 死者の魂が帰ってくる夜だった

ハロウィンといえば仮装ですよね。この習わしにも、ちゃんと理由があります。
この世とあの世の境目が、弱くなる夜
古代の人々は、サウィンの夜を、この世とあの世の境目が弱くなる時だと考えていました。亡くなった人の魂が、家に帰ってくると信じられていたんです。
そのため人々は、食べ物をお供えして、帰ってくる魂をもてなしました。日本のお盆に、少し似ていますよね。
仮装は、悪い霊から身を守るためだった
ところが、帰ってくるのは家族の魂だけではないと考えられていました。悪い霊や魔物も、一緒にやってくる。
そこで人々は、仮面をかぶったり、悪霊や魔女の姿をしたりして、仲間のふりをして身を守ったとされています。今の仮装の楽しさの元は、身を隠すための知恵だったんです。
ハロウィンという名前は「聖人の日の前の夜」
ハロウィンという名前も見ておきます。キリスト教では、11月1日が聖人たちをまつる日になりました。
その前の夜は「オール・ハロウズ・イブ」と呼ばれました。これが縮まって「ハロウィン」という言葉になったと考えられています。古い祭りの日に、あとから来た宗教の行事が重なった。その名残が名前に残っているわけです。
🥬 ジャックオーランタン かぼちゃの前はかぶだった
ハロウィンの主役といえば、顔をくりぬいたかぼちゃのランタン、ジャックオーランタン。でも、これには意外な前の姿があります。
もとは、かぶをくりぬいていた
数字ではありませんが、これは意外でした。ジャックオーランタンは、もともとかぶで作られていたとされています。
アイルランドでは、かぶの中身をくりぬいて顔を彫り、明かりを入れていました。かぶを彫ったランタンの写真は、アイルランド大使館の紹介でも使われています。
アメリカで、かぼちゃに変わった
では、なぜかぼちゃになったのか。答えは、アメリカです。
ハロウィンは、アイルランドからの移民とともに、この200年ほどの間にアメリカへ伝わったとされています。そのアメリカで、かぶではなく、たくさん作られていたかぼちゃが使われるようになりました。
大きくて、中身をくりぬきやすく、色もあざやか。かぼちゃのランタンはアメリカで広まり、それが世界中のハロウィンの姿になったんです。
「ジャック」は、言い伝えの男の名前
ジャックオーランタンの「ジャック」は、アイルランドの言い伝えに出てくる男の名前だとされています。明かりを持って、あの世とこの世のあいだをさまよう男の話です。
ランタンの明かりには、さまよう魂や悪い霊を遠ざける意味があったとも言われています。
🇯🇵 日本で広まったのは1970年代から
日本のハロウィンは、いつから始まったのでしょうか。思っているより、歴史は短いんです。
始まりは、原宿の雑貨店の商品
日本でハロウィンが知られるきっかけになったのは、1970年代に、原宿の雑貨店がハロウィンの商品を売り始めたことだとされています。
その後、1983年には表参道でハロウィンのパレードが開かれました。
1997年、テーマパークのイベントで一気に広まる
大きな転機は1997年です。東京の大きなテーマパークがハロウィンのイベントを始めたことで、一気に多くの人に知られるようになりました。
日本でハロウィンが広く楽しまれるようになってから、まだ30年ほど。お盆や十五夜のような昔からの行事と比べると、ずいぶん新しい行事なんですよね。
日本では、仮装が主役になった
日本のハロウィンは、魂をもてなす祭りというより、仮装して楽しむイベントとして広まりました。
もとの意味から少し離れて、日本なりの形に変わった。それもまた、ハロウィンが国を越えてきた歴史の一部だと思います。
⚠️ 大人の仮装パーティーのつもりで外で飲むと、決まりにふれる街があります

日本のハロウィンが仮装のイベントとして広まった結果、大人が街に集まって盛り上がる日にもなりました。ここで気をつけたいことがあります。
渋谷では、路上の飲酒が1年中禁止に
渋谷区では、2024年10月から、路上や公園でお酒を飲むことが1年中禁止になっています。時間は、午後6時から翌朝5時までです。
ハロウィンの夜だけの決まりではありません。仮装して街に出て、コンビニのお酒を路上で飲む。それだけで、決まりにふれてしまいます。
ほかの街でも、ハロウィンの決まりがある
渋谷のとなりの新宿区でも、ハロウィンの時期の路上飲酒を止める動きがあります。
出かける街が決まったら、その街のハロウィンの決まりを先に確かめておく。せっかくの仮装を、気持ちよく楽しむためのひと手間です。
🧭 ハロウィンの習わしと、もとの意味を比べた
最後に、ハロウィンの習わしを、もとの意味と並べておきます。
| 習わし | もとの意味 | 今の楽しみ方 | 合わない条件 |
|---|---|---|---|
| 10月31日に祝う | 古代ケルトの暦の大みそか | 秋のイベントとして楽しむ | 11月に入ってから飾りを出すとき |
| 仮装をする | 悪い霊の仲間のふりをして身を守る | 好きなキャラクターに変身する | 路上での飲酒が禁止されている街で騒ぐとき |
| ジャックオーランタン | かぶで作った魔よけの明かり | かぼちゃを彫って飾る | 彫ったかぼちゃを長く飾っておきたいとき |
| 食べ物を用意する | 帰ってくる魂へのお供え | お菓子を配る、ごちそうを囲む | 近所づきあいの決まりが分からない地域 |
ハロウィンは、夏の終わりに、帰ってくる魂を迎えて、悪い霊から身を守る夜でした。かぼちゃもお化けも、その名残です。由来を知ってから飾りを見ると、少し違って見えると思います。
10月下旬は、日本のお月見の行事も続きます。ハロウィンの前の週末は十三夜です。
神様が集まる月とされる神在月も、季節の境目にまつわる話です。
10月の季節の移り変わりは、こちらにまとめています。


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