布団に入ったのに、頭の中だけがまだ起きている。時計を見て「あと5時間しかない」と計算してしまう。そんな夜って、ありませんか。
眠れない夜がつらいのは、眠れないこと自体だけが理由ではありません。「明日も同じだったらどうしよう」という不安が、上から重なってくるからです。
この記事では、その重なりをほどくための順番を書きます。むずかしいことはしません。今夜そのまま試せることだけです。
😔 眠れないより、眠れない自分を責めるほうがつらい
眠れない夜に多くの人がやってしまうのが、自分を責めることです。早く寝ないと、明日つぶれる、こんなことで焦る自分が情けない。
でも、その考えごとこそが目を覚まさせています。焦りは体を戦闘モードにするので、眠りとは真逆の方向に体を持っていってしまうんです。
つまり、眠ろうと頑張るほど眠れなくなる。ここが最初のポイントです。
🔍 眠れない夜の中で起きていること
眠れない夜には、だいたい3つのことが同時に起きています。
ひとつめは、頭が終わっていない仕事や会話を、勝手に再生し続けていること。ふたつめは、その再生を止めようとして、余計に意識が向いてしまうこと。
みっつめは、時計を見て残り時間を数え、焦りが上乗せされること。この3つがぐるぐる回るので、朝まで抜けにくくなります。
📏 国の睡眠ガイドが言っているのは「時間」だけではない
厚生労働省は2024年2月に「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を公表しました。ここで示されたのは、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保するという数字です。
ただ、このガイドで注目したいのは時間のほうではありません。もうひとつの柱として「睡眠休養感」という言葉が出てくることです。
睡眠休養感とは、眠って休めたという感覚のことです。何時間眠ったかではなく、休めた感じがあるかどうかを大事にしましょう、という考え方が国の指針に入ってきた、ということになります。
だから「6時間眠れなかった」で落ち込む必要はありません。目指すのは時間の数字ではなく、朝に少しでも休めた感じが残っていることです。
🛏 心を静める順番
順番があります。上から順にやってみてください。
1.時計を見るのをやめる
残り時間を数えるほど焦ります。スマホは伏せるか、手の届かない場所に置きます。
2.20分たっても眠れなければ、一度布団から出る
布団の中で粘るほど、布団は「眠れない場所」として体に覚えられてしまいます。暗い部屋で座って過ごし、眠気が来てから戻ります。
3.頭の中身を紙に出す
気になっていることを、きれいに書こうとせず箇条書きで出します。頭は「まだ覚えておかないと」と思うから再生を続けるので、外に置くと止まりやすくなります。
4.今夜の合格ラインを下げる
「眠る」ではなく「横になって休む」を今夜のゴールにします。目標が下がると、眠れないことへの焦りも一緒に下がります。
🚫 やらないほうがいいこと
眠れないときにやりがちだけれど、逆効果になりやすいものが3つあります。
ひとつめは、寝るためのお酒です。寝つきは早くなっても、夜中に目が覚めやすくなります。
ふたつめは、夕方以降のカフェインです。睡眠ガイドでは、カフェインは1日400ミリグラムを超えると眠りにくくなる可能性があるとされています。コーヒーカップでおよそ4杯分にあたる量です。
みっつめは、寝室にスマホやタブレットを持ち込むことです。ガイドでも、寝室にデジタル機器を持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが要点として挙げられています。
🌙 心の側から眠れないときもある
体の準備を整えても、心のほうが休ませてくれない時期もあります。緊張が抜けない、動悸が気になる、そういう状態のときです。
音楽家の平沢進さんが、自身のパニック障害との向き合い方を語った話を別の記事にまとめています。考え方の角度が変わるきっかけになるかもしれません。
▼ 平沢進が語った「パニック障害克服法」―感情のハウリングを止める思考術
暑さで眠れない時期なら、部屋の温度の側から整える方法もあります。
▼ 夏バテ対策は睡眠から|寝苦しい夜の室温と習慣
🙅 こんな人には向きません
この記事は、一時的に眠れない夜をやり過ごすための内容です。次のような場合は、ここに書いたことより先にやってほしいことがあります。
眠れない日が何週間も続いている場合。日中の眠気で仕事や運転に支障が出ている場合。息苦しさや動悸が続く場合。気分の落ち込みが強く、これまで楽しめたことが楽しめない場合。
睡眠ガイドでも、生活習慣を整えても休めた感じが得られないときは、その裏に睡眠の病気が隠れていることがあるとして、医療機関の受診をすすめています。セルフケアで粘るより、一度みてもらうほうが早いことがあります。
💬 一人で抱えなくてもいい
眠れない夜の正体が、日中に抱えている悩みそのものであることは珍しくありません。その場合、寝室をいくら整えても根っこは残ります。
誰かに話すだけで、頭の中の再生が止まることがあります。身近な人に言いにくい内容なら、外の人に話すほうがかえって楽なこともあります。
厚生労働省が運営する「こころの耳」には、働く人向けの無料の相談窓口があります。電話、メール、SNSから選べます。まずここを見るだけでも、選択肢があると分かります。
📝 まとめ
眠れない夜にやることは、眠ろうと頑張ることではありません。焦りを増やさないことです。
時計を見ない。20分で一度出る。頭の中身を紙に出す。今夜のゴールを「横になって休む」に下げる。この4つだけ覚えて帰ってください。
そして、眠れない日が続くときは、自分でどうにかしようとしなくて大丈夫です。相談先は無料のものからあります。




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