昔住んでいた町のケーキ屋を、ふと思い出して地図アプリで見てみる。開いてみたら、まったく別の店になっていた。
そんな経験、ありませんか。何年も前に閉まっていたと知って、少しさびしくなる。実はこれ、あなたの町だけの話ではありません。
📉数字にはっきり出ている
2025年度に起きた洋菓子店の倒産は65件でした。前の年度の51件から約3割増え、2年続けて過去最多を更新しています。
直近では、ケーキや菓子の店の倒産が過去最多になったことも報じられています。値上げで帰省の土産を我慢する動きや、贈り物をする習慣の変化も影響しているとされます。
飲食店全体でも同じ流れです。2026年上半期の飲食店の倒産は473件で、前の年の同じ時期を上回り、過去最多を更新しました。4年連続の増加です。
🧈材料が全部上がっている
小麦粉のほか、バターやクリームなどの乳製品、カカオまで、あらゆる原材料の価格が記録的に高い水準のままです。包装の資材や人件費、水道光熱費の上昇も重なっています。
ケーキは、材料をごまかせないお菓子です。バターを減らせば味が変わり、クリームを薄くすればすぐ分かります。
だから、コストが上がった分をそのまま抱えることになります。
💰それでも値上げできない事情
節約志向が強まる一方で、これまで街の洋菓子店が得意としていた価格帯にコンビニスイーツが入ってきました。とくに400円から600円あたりで、競争が激しくなっています。
値上げが難しい「手頃な街のケーキ屋さん」で、苦しさがはっきり出ています。
一個500円のショートケーキを600円にする。それだけで、買う人の手が止まってしまう。この壁が、いちばん重いところだと思います。
🎂贈る習慣が変わった
もう一つ、静かに効いているのが習慣の変化です。手土産にケーキを持っていく、誕生日にホールを買う。こうした場面そのものが減っています。
帰省の土産を我慢する動きや、贈答の慣習が変わったことも背景に挙げられています。
ケーキ屋は、日常の買い物より行事に支えられてきた業種です。行事のかたちが変われば、売上の柱が細くなります。
🌟それでも残っている店の共通点
全部の店が消えているわけではありません。ブランド力と品質への支持を得た人気店は、値上げを納得してもらうことで利益を保っています。SNSの活用や、ケーキの完全予約制で廃棄をなくす動きも出ています。
予約制は大きい変化です。作った分が確実に売れるので、捨てる分がなくなります。
ただし、そうした取り組みができる店は限られています。
🍰わたしたちにできること
たいそうなことはできません。ただ、行きたい店があるなら、行ける時に行く。それだけです。
閉店の知らせが出てから駆けつけても、その時にはもう決まっています。惜しむ気持ちは、営業しているうちに使ったほうが届きます。
物価高との付き合い方は、こちらにも書いています。
お金の使い方と気分 満たされない本当の理由
🙅無理に応援しなくていい
とはいえ、家計が苦しい時に無理をする必要はありません。応援のつもりで買い続けて、自分の生活が回らなくなったら本末転倒です。
年に数回でいい。行事の時に思い出す。それで十分だと思います。
✅まとめ
街のケーキ屋が減っているのは、努力が足りないからではありません。材料が上がり、値上げしづらく、贈る習慣まで変わった。この三つが同時に来ています。
地図で見つけた「別の店」の裏には、この流れがあります。まだ開いている店があるなら、開いているうちに。



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