流れてきた動画を見て、一瞬「本当かな」と思った。
でも、そのまま次の動画に進んでしまう。あとで人に話したら「あれ作り物らしいよ」と言われる。
そういうことが増えました。去年までは、見ればなんとなく分かりました。今は分かりません。
ただ、いまのAIにも苦手な部分は残っています。落ち着いて見れば、気づけるところがあります。
この記事では、見るべき場所を6つ並べます。最後に、どの順番で確かめるかもまとめました。
✋ 手と指を最初に見ます

一番よく崩れるのが手です。指の数が合っていない、関節の曲がる向きがおかしい、というのがよくあります。
理由は単純で、指は動きが複雑だからです。人の手は、一瞬のうちに形が何度も変わります。
動画では特に出ます。写真なら1枚をきれいに作れても、動いている間ずっと正しい形を保つのは難しいからです。
物を持つ場面が特に狙い目です。コップやスマホを持つ手を、少し戻して見てください。指が物にめり込んだり、離れて浮いたりします。
🔤 文字はほぼ崩れます
看板、Tシャツのロゴ、本の表紙。こういう文字の部分は、今もはっきり苦手です。
近くで見ると、読めそうで読めない字になっています。日本語だと、漢字の形が少しずつ違うことが多いです。
しかも、動画では場面が進むと文字が変わります。同じ看板なのに、数秒後に別の字になっている。これが出たら、まず作り物です。
停止して、看板を探す。これだけで判別できることがよくあります。
🌑 影の向きがそろっているか
これは少し慣れが要りますが、確実です。
同じ場所にいる人や物の影は、同じ方向に伸びます。太陽は一つしかないからです。
作られた動画では、ここがずれます。ある人の影は右に、別の人の影は手前に伸びている。屋外なのに、影がほとんど無いこともあります。
室内なら、明かりの位置と影の向きが合っているかを見ます。天井の照明があるのに、影が横に伸びていたらおかしいです。
💧 水と煙と髪の毛
動きが細かいものは、いまも苦手です。
水しぶき、煙、湯気、そして髪の毛。この四つは、粒の一つ一つが別々に動きます。
作られた動画だと、全体がひとかたまりで動いたり、途中で消えたりします。髪の毛の先が背景に溶けることもあります。
風が吹いている場面も同じです。木の葉と、人の髪と、服のすそが、ばらばらの向きに揺れていたら不自然です。
👁 まばたきと、目の動き
人は数秒に一回まばたきをします。作られた映像では、これが抜けたり、多すぎたりします。
長い時間まばたきをしていない顔は、見ていて落ち着かない感じがします。理由が分からないまま違和感があるときは、目を見てください。
もう一つ、目線です。話している相手を見ているはずなのに、少しずれた場所を見ていることがあります。
🔊 音と口の形
音は、映像より作るのが難しいです。ここでのずれが残りやすいです。
口の形と、聞こえている音が合っていないことがあります。特に「ま」「ば」「ぱ」の音は、唇を閉じないと出せません。口が開いたままなら、後から音を足しています。
背景の音も手がかりです。屋外なのに、風の音も車の音も入っていない。室内なのに、部屋の響きがない。こういう動画は疑ってかまいません。
🕵️ 確かめる順番を決めておきます

全部を毎回見るのは大変です。順番を決めておくと早いです。
| 見る場所 | 何を見るか | かかる時間 | 合わない条件 |
|---|---|---|---|
| 手と指 | 数、関節、物の持ち方 | 5秒 | 手が映っていない動画では使えません |
| 文字 | 看板やロゴが読めるか | 5秒 | 文字が出てこない動画では使えません |
| 影 | 向きがそろっているか | 10秒 | 曇りの日や暗い場所では判断しにくいです |
| 水や髪 | 細かい部分の動き | 10秒 | 画質が粗い動画では見えません |
| 目 | まばたきと目線 | 10秒 | 顔が小さく映っている動画では無理です |
| 音 | 口の形と背景の音 | 10秒 | 音を消して見ている場合は分かりません |
上から順に見て、二つ以上おかしければ疑ってください。一つだけなら、圧縮で画質が落ちただけかもしれません。
⚠️ ここでつまずきます
一番多い失敗は、見た目だけで判断することです。
作りが上手な動画は、これらの点をすべてクリアしてきます。技術は毎月良くなっているので、来年には手も文字も崩れなくなると思います。
だから、映像を見るのと同じくらい、出どころを見るほうが確実です。
誰が最初に投稿したのか。そのアカウントは前から動いているのか。同じ出来事を、他の場所も伝えているのか。
大きな出来事なら、必ず複数の場所が伝えます。一つのアカウントしか出していない動画は、それだけで怪しいです。
もう一つの失敗は、疑いすぎることです。本物まで疑うようになると、疲れます。
判断を急がず、保留にしておく。これが一番いい向き合い方だと思います。
情報の見極め方は、動画に限りません。こちらに基準をまとめています。
📤 拡散する前に、ひと呼吸
いま一番気をつけたいのは、驚いた瞬間に共有してしまうことです。
作る側は、驚かせることを狙っています。腹が立つ、こわい、信じられない。そういう感情が出たときほど、手が早く動きます。
一度でも広めてしまうと、あとで消しても残ります。
決まりを一つ作っておくと楽です。「驚いた動画は、明日まで共有しない」。これだけで、ほとんど防げます。
AIで映像を作る技術がどこまで来ているかは、こちらに書いてあります。
🌱 今日からできる三つ
一つ目。次に流れてきた動画で、手が映っていたら止めて指を数えてください。1回やると感覚がつかめます。
二つ目。看板や文字が出てきたら、読めるか確かめます。5秒です。
三つ目。驚いた動画を見つけても、その場では共有しないと決めます。
慣れると、意識しなくても目が行くようになります。
🙅 こんな人には向きません
この記事は、次のような方には向いていません。
AIで動画を作る方法を知りたい方。ここでは見分けるほうだけを扱っています。
100パーセント確実な方法を探している方。そういう方法はありません。この記事は、気づける確率を上げるものです。
専用の判定ソフトを探している方。ソフトの紹介はしていません。
画質の粗い動画を判定したい方。細かい部分が見えないので、ここに書いた方法はほとんど使えません。出どころを見るほうに切り替えてください。


コメント