タイムラインに、急に古い写真が並び始めた。
画質が粗くて、色が明るすぎて、犬の耳が付いている。それを大人が上げています。
しかも一人や二人ではありません。同じ時期の写真が、次々に出てきます。
これには名前が付いています。2026年は2016年の再来、という言い方です。
この記事では、何が起きているのか、なぜ10年前なのか、そして少し引っかかる点までまとめました。
📅 何が起きているのか

この動きは、2025年の年末に始まりました。
2025年12月31日に、あるTikTokの利用者が2016年の流行を集めた動画を投稿しました。別の利用者は、2026年1月1日を「リセットの日」にして、2016年のネットの流行を呼び戻そうと呼びかけました。
そこから一気に広がります。BBCの報道によると、2026年に入って最初の数週間で、TikTokでの「2016」という検索が急に増えました。当時の加工を使った動画は数百万本に達しています。
@wikitoonz_rayen #2016 #2016Memories #Throwback2016 #Nostalgia #GoldenDays ♬ son original – 👻🔥wikitoonz🔥👻
日本でも、同じ形の投稿を見かけるようになりました。
出てくるものは決まっています。犬の耳や花冠が付く写真の加工。明るすぎる自撮り。当時のスマホで撮った、粗い画質の写真。
当時の遊びも戻ってきました。ペットボトルを回して立てるもの、全員が止まったまま動かない動画、外に出て地図の上のキャラクターを探すゲーム。
音楽も動きました。2016年に世界的にヒットしたある曲が、2026年に入ってから再び各国のチャートに戻っています。
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つまり、当時のものが本当に売れ直しています。
🧠 なぜ10年前なのか

ここが一番おもしろい部分だと思います。なぜ5年でも20年でもなく、10年なのか。
理由の一つは、その年を覚えている人の年齢です。2016年に中学生や高校生だった人は、いま20代半ばになります。
10代のころに触れたものは、記憶に強く残ります。音楽や服の好みは、その時期に固まると言われています。
そして、いま20代半ばの人たちは、SNSで一番よく投稿する層です。
つまり、覚えている人の数と、発信する力が一番重なるのが、だいたい10年後になります。
もう一つの理由は、境目です。
2016年は、感染症の流行より前で、AIで作った投稿が当たり前になる前でした。
だから「あのころは本物だった」という感じ方につながります。実際にそうだったかは別として、そう感じられます。
記憶が思い出すたびに作り直される話は、こちらに書いてあります。
📊 何が持ち出されて、何が出てこないのか
ここを分けると、この動きの性格が見えます。
| 出てくるもの | 出てこないもの | 理由 |
|---|---|---|
| 写真の加工と色味 | その年の選挙 | 政治の話は楽しく共有できません |
| 音楽とダンス | 経済の出来事 | 数字は思い出になりません |
| 遊びやチャレンジ | 事件や災害 | 悲しい記憶は避けられます |
| 服や化粧 | 当時の自分の悩み | 見せたいのは良かった部分だけです |
ある雑誌の記事では、この動きが服と音楽とSNSの流行に集中していて、その年の大きな政治の出来事にはほとんど触れていない、と指摘されています。
つまり、2016年そのものではなく、2016年の楽しかった部分だけが選ばれています。
これは批判というより、思い出のはたらき方です。人は良かった部分を残します。
⚠️ ここでつまずきます
一つ目は、当時が本当に良かったと信じ込むことです。
その年にも、つらい出来事はありました。いま思い出さないだけです。過去を美化しすぎると、今がよけいに悪く見えます。
二つ目は、古い写真を無防備に上げることです。
10年前の写真には、当時の住所や通っていた学校が写り込んでいることがあります。今の基準で見直してから上げるほうが安全です。
三つ目は、若い人に無理に合わせることです。
この動きは、その年を覚えている人のものです。覚えていない年を懐かしがっても、たいてい浮きます。
四つ目は、乗り遅れを気にすることです。この手の流行は数か月で入れ替わります。
🕰 次に来るのはどの年か
一つ、考えておくと面白い点があります。
10年という間隔が本当なら、次に持ち出されるのは2017年、その次は2018年になります。
ただ、そう単純ではないと思います。
2016年が選ばれたのは、その年に区切りとして分かりやすいものが多かったからです。
新しい写真の加工が出た年、外に出て遊ぶゲームが流行った年、動画アプリが入れ替わった年。目印がそろっています。
目印の少ない年は、同じようには盛り上がりません。
だから、次の年が同じ形で来るとは限らないと私は思います。
🌱 今日からできる三つ
一つ目。自分の10年前の写真を1枚だけ探してください。何を着ていたかで、当時の空気が戻ります。
二つ目。上げる前に、写り込んでいるものを確かめます。建物、看板、制服。ここだけは今の目で見てください。
三つ目。良かった記憶と一緒に、当時の困りごとも一つ思い出します。今がそれほど悪くないと分かることがあります。
企業のアカウントで乗ろうと考えている方は、先にこちらを読んでおくと安全です。
🙅 こんな人には向きません
この記事は、次のような方には向いていません。
2016年の出来事を年表で知りたい方。ここでは流行の話だけを扱っています。
当時の曲やドラマの一覧がほしい方。作品名は最小限にしています。
この流行に乗る方法を探している方。やり方は書いていません。理由の説明が中心です。
過去を振り返るのがつらい方。無理に思い出す必要はありません。


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