毎年10月ごろ、会社から紙の束が配られます。
見た瞬間に気が重くなります。名前と押し方だけは覚えているのに、真ん中の欄が何のことか分かりません。
しかも今年は、去年と様式が違います。見慣れない申告書が増えています。
先にお伝えすると、今年の変更は税金が軽くなる方向です。損をする話ではありません。
この記事では、何が変わったのか、なぜ12月に戻る額が増えるのか、そして書く順番を並べました。
💴 今年は戻る額が大きくなりやすいです

まず、今年の一番の特徴を書きます。
今年の税制改正で、基礎控除と給与所得控除が引き上げられました。控除が増えるということは、税金がかかる部分が減るということです。
ところが、毎月の給料からの天引きは、11月まで従来どおりのままです。国税庁もそう案内しています。
つまり、11月までは今までと同じ額が引かれ続けます。減った分は12月にまとめて精算されます。
だから、今年の12月は戻る額が例年より大きくなりやすいです。
もう一つ、変わった点があります。去年まであった定額減税は、もうありません。年末調整でその処理をする必要はなくなりました。
来年からは、毎月の天引きの表そのものが新しくなります。令和9年1月に払われる給与から変わります。
👨👩👧 扶養に入れる基準が緩みました
家族の分でも変更があります。
ここは知らないと損をします。
扶養に入れられる家族の所得の基準が、58万円以下から62万円以下に引き上げられました。
給与だけで働いている家族なら、収入で123万円以下から136万円以下に変わります。
つまり、去年は扶養から外れていた家族が、今年は入れるようになる場合があります。
ここで注意があります。基準が変わったからといって、自動では反映されません。
新しく条件を満たすことになった家族がいる場合は、申告書を出し直す必要があります。国税庁の資料にも、その旨が書かれています。
パートで働いている配偶者や、アルバイトをしている子どもがいる家庭は、一度計算してみてください。
🎓 大学生の子どもがいる家庭へ
もう一つ、去年から始まった仕組みがあります。
19歳以上23歳未満の子どもがいて、その子のアルバイト収入が一定の額を超えた場合でも、親の側で受けられる控除があります。
そのために、専用の申告書が用意されています。
「給与所得者の特定親族特別控除申告書」という名前です。
これは、扶養から外れるかどうかの手前にある仕組みです。子どもが働きすぎて扶養から外れた、という段差をなだらかにするものだと考えてください。
該当する家庭は、この用紙を書かないと控除が受けられません。会社から渡された束の中に入っているはずです。
📝 書く順番を決めておくと早いです

紙が何枚もあるので、順番を決めると迷いません。
| 順番 | やること | かかる時間 | 合わない条件 |
|---|---|---|---|
| 1 | 保険会社などからの控除証明書を全部集める | 20分 | まだ届いていない時期は待ちます |
| 2 | 扶養控除等申告書に家族の情報を書く | 10分 | 扶養する家族がいない人は簡単です |
| 3 | 基礎控除申告書に自分の見込み収入を書く | 10分 | 収入の見込みが立たない人は概算で書きます |
| 4 | 配偶者の分がある人は同じ用紙の欄を書く | 5分 | 独身の人は不要です |
| 5 | 19歳から22歳の子がいる人は専用の用紙を書く | 10分 | 該当する子がいない人は不要です |
| 6 | 保険料控除申告書に証明書の数字を写す | 20分 | 保険に入っていない人は不要です |
一番時間がかかるのは、実は1番です。書類を探す時間が一番長くなります。
控除証明書は10月ごろに届きます。
届いたら、その日にクリアファイルに入れてください。これだけで年末が楽になります。
⚠️ ここでつまずきます
一つ目は、自分の収入の見込みを適当に書くことです。
基礎控除の欄で選んだ区分が、配偶者の控除の計算にもつながっています。ここを間違えると、その先も全部ずれます。
去年の源泉徴収票を見ながら書くと、大きく外しません。
二つ目は、証明書をなくすことです。
保険の控除証明書は再発行できますが、届くまでに1週間から10日かかります。会社の締め切りに間に合わなくなります。
三つ目は、締め切りを過ぎることです。
年末調整に間に合わなかった場合でも、確定申告をすれば取り戻せます。ただ、自分で申告する手間がかかります。
四つ目は、医療費が多かった年に何もしないことです。
医療費の控除は、年末調整では扱えません。確定申告が必要です。入院などがあった年は、領収書をまとめておいてください。
入院にかかったお金の話は、こちらにまとめてあります。
親の分の手続きも合わせて確認したい方は、こちらが役に立ちます。
🌱 今日からできる三つ
一つ目。クリアファイルを1枚用意して、机の上に置いてください。届いた証明書を全部そこに入れます。
二つ目。去年の源泉徴収票を探します。見つからなければ、会社に再発行を頼めます。
三つ目。家族の今年の収入を、ざっと聞いておきます。パートやアルバイトをしている人がいる家庭だけで大丈夫です。
この三つは合わせて20分ほどです。10月のうちにやっておくと、11月が楽になります。
なお、私は税理士ではありません。この記事は一般的な流れをまとめたものです。
自分の場合にどうなるかは、会社の担当部署か税務署に確認してください。国税庁のホームページにも、今年の変更点をまとめた資料が出ています。
🙅 こんな人には向きません
この記事は、次のような方には向いていません。
会社を経営している方や、給与計算の担当をしている方。ここでは受け取る側の話だけを書いています。
自営業の方。年末調整はなく、確定申告になります。
住宅ローンの控除を初めて受ける方。1年目は確定申告が必要です。2年目以降は年末調整でできます。
正確な税額を知りたい方。金額は人によって違います。この記事では計算式を扱っていません。


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