10月は神無月。神様が出雲に出かけて、ほかの土地は留守になる月。そんな話を聞いたことがある人は多いと思います。
でも、出雲の神在祭は10月ではなく、11月にあるんです。2026年は11月18日から。
月の名前と日付がずれているのはなぜか。出雲だけ「神在月」と呼ぶのはなぜか。日程と一緒に整理していきます。
⛩ 神在月2026 出雲大社の神在祭は11月18日から25日まで
出雲大社の公式サイトによると、2026年の日程はこうです。
11月18日の午後7時、神迎神事と神迎祭。全国から来る神々をお迎えする神事です。
11月19日の午前9時、神在祭。11月23日の午前10時には、献穀祭と神在祭、縁結大祭があります。
11月25日の午前10時にも神在祭と縁結大祭。そして同じ日の午後4時、神々をお送りする神等去出祭で締めくくられます。
始まりは旧暦10月10日
神迎神事は、旧暦の10月10日の夜に行われます。2026年は、それが11月18日にあたるわけです。
神在月というのは、旧暦の10月のこと。今のカレンダーの10月とは、ほぼ1か月ずれています。10月に神在祭がないのは、このためなんですよね。
📅 なぜ毎年日付が変わるのか 2025年より11日早い

神在祭の日付は、毎年変わります。旧暦で決まる行事だからです。
2025年は11月29日から、2026年は11月18日から
数字で見ると、これは意外でした。2025年の神在祭は、11月29日から12月6日まででした。2026年は11月18日から25日まで。
1年で11日も早まっています。旧暦の1年は、月の満ち欠け12回分。今のカレンダーより短いので、そのぶん日付が動くんです。
去年と同じ時期に行こうと予定を組むと、まるごと外れることもあります。
佐太神社だけは、毎年同じ日付
ここで、もう一つ意外な点があります。出雲には、出雲大社のほかにも神在祭をする神社があります。そのうち佐太神社だけは、今のカレンダーで毎年11月20日から25日と決まっています。
佐太神社の神在祭は、記録に残るものとして最も古くから行われているとされています。手順も、約500年前の記録とほぼ同じ内容だそうです。
同じ出雲の神在祭でも、旧暦で動く所と、日付を固定した所がある。行き先によって、確かめ方が変わります。
🗾 なぜ出雲だけ「神在月」と呼ぶのか
10月は、一般には神無月です。でも出雲では神在月と呼びます。その理由は、神無月という名前の説と深く関わっています。
神無月の「無」は「の」だという説
実は、神無月は「神がいない月」ではない、という説があります。
国語辞典では、神無月の「な」は、今の「の」にあたる言葉で、「神の月」という意味だとする説を有力としています。いない、ではなく、神様の月。まるで逆の意味ですよね。
ほかにも、新米でお酒をかもす「醸成月」から来た説、雷が鳴らなくなる「雷無月」から来た説も載っています。
神々が出雲に集まるから、という説
一方で、よく知られているのが、全国の神々が出雲大社に集まるから、ほかの土地には神がいない、という説です。
百科事典では、神々が集まるので、逆に出雲では神在月と呼ぶ、と説明されています。出雲の観光協会も、旧暦10月は全国の神々が出雲に集まる月で、出雲では神在月と呼ぶ、としています。
語源の本当の答えは、一つに決まっていません。ただ、出雲で「神在月」と呼ぶのは、この言い伝えから来ている。ここははっきりしています。
神々は、集まって何をするのか
出雲に集まった神々は、「神議り」と呼ばれる話し合いをするとされています。人の暮らしのさまざまなことを、そこで決めるという言い伝えです。
男女の縁結びも、このときの話し合いで決められると伝えられています。出雲大社が縁結びで知られるのは、ここから来ているんですよね。
留守を守る神様もいる
神々が出かけている間、残って土地を守る神様もいるとされています。「留守神」と呼ばれます。
百科事典では、恵比須や大黒、荒神などを留守神とする地域が多いとされています。全員が出かけるわけではない、というのが面白いところです。
⛩ 出雲大社だけではない 神在祭をする神社と日程
神在祭は、出雲大社だけの行事ではありません。出雲の観光協会によると、2026年はこうなっています。
朝山神社が11月9日から18日。日御碕神社が11月19日から25日。万九千神社が11月25日から12月4日です。
そして佐太神社が、毎年同じ11月20日から25日。20日の午後8時に神迎えの神事、25日の午後8時に神様をお送りする神事があります。
朝山神社は出雲大社より前、日御碕神社は同じ期間、万九千神社は後。旧暦で並べると、10月1日から26日まで、どこかで神在祭が続いている形です。
⚠️ にぎやかな縁結び旅のつもりで行くと、土地の空気とずれます

神在月の出雲は、縁結びの季節として人気です。ただ、ここで気をつけたいことがあります。
神在祭は「お忌みさん」とも呼ばれる
出雲の観光協会によると、土地の人はこの時期、歌や踊りの席を設けず、楽器を鳴らさず、家を建てることもせず、ひたすら静かに過ごすとされてきました。
このため神在祭は、「御忌祭」とも呼ばれます。神々の話し合いの邪魔をしない、という考え方です。
かつては15日間、静かに過ごした
佐太神社では、神々をお送りする神事が終わるまで、身を慎んで過ごしたとされています。
かつての佐太神社のお忌みは、旧暦10月11日から25日までの15日間でした。前半と後半に分かれ、後半のほうが重い儀式とされていたそうです。
観光でも、声の大きさだけは意識したい
旅行者に、同じように静かにすることが求められているわけではありません。でも、土地の人にとっては、昔から静かに過ごしてきた期間です。
にぎやかな旅行気分のまま境内で大声を出すと、少し浮いてしまうかもしれません。縁結びを願うなら、なおさら静かに。私はそう思います。
開運日にどんな過ごし方をすればいいのか迷う人は、こちらにまとめています。
🚶 神迎神事を見に行くなら 場所と見られること
最後に、実際に見に行くときのことを整理します。
場所は、出雲大社の西にある稲佐の浜
神迎神事が行われるのは、出雲大社の西、約1kmにある稲佐の浜です。海からやってくる神々を、浜辺でお迎えします。
出雲の観光協会によると、2024年からは、稲佐の浜の斎場での参列と、出雲大社までのお供が再開されています。
交通規制は、2025年の例で目安をつかむ
2026年の交通規制や駐車場の案内は、この記事を書いた時点ではまだ出ていませんでした。
参考までに、2025年の例です。神迎神事の日の18時30分から20時まで、稲佐の浜の周りの道が歩行者専用になりました。周辺の駐車場は、例年10時から15時ごろにほぼ満車になるとされ、電車やバスを使うよう呼びかけられていました。
2026年も、同じような混み方になる可能性は高いと思います。出かける前に、出雲の観光協会の案内を確かめてください。
| 行く日 | 見られること | 合わない条件 |
|---|---|---|
| 11月18日(神迎神事) | 夜の稲佐の浜で、神々をお迎えする神事 | 夜の寒い浜辺で長く待てない人、車で行きたい人 |
| 11月19日〜25日(神在祭の期間) | 昼の神在祭や縁結大祭 | 神事の日時に合わせられない人 |
| 11月25日(神等去出祭) | 神々をお送りする夕方の神事 | 神迎えの浜辺の神事を見たい人 |
| 11月20日〜25日(佐太神社) | 毎年同じ日付の、古い形を残す神在祭 | 出雲大社の神事だけを見たい人 |
秋から年末にかけての吉日と合わせて予定を立てたい人は、こちらもどうぞ。
神在祭が終わった後、年の終わりに向けてやることは、こちらで順番にまとめています。
10月の神無月と、11月の神在祭。名前と日付のずれには、旧暦という理由がありました。今年は11月18日の夜、稲佐の浜から、出雲の神在月が始まります。


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