運動は炎症を消す最強の薬|脳と心を守る習慣

「運動が体にいい」
それは、もう誰もが知っている常識かもしれません。
でも、
なぜ運動が、メンタル疾患や認知症、さらにはがんの予防にまで関わるのか
そこまで深く理解している人は、実は多くありません。
精神科医・樺沢紫苑さんは、その核心を
とてもわかりやすい言葉で表現しています。
運動は、最高の「消火剤」である。
この記事では、
この一言の裏にある**「炎症」という共通キーワード**を軸に、
運動が脳と心に与える本質的な効果を深掘りしていきます。
すでに「なんとなく運動している」人が、
「意味を理解して、続けられる人」になるための記事です。
🔥 メンタル疾患と認知症の共通点は「炎症」

近年の研究で、
うつ病・不安障害・統合失調症などのメンタル疾患、
そして認知症においても、
「炎症反応」が深く関与していることが明らかになってきました。
ここで言う炎症とは、
- 発熱や腫れのような急性炎症
ではなく - 低レベルで長期間続く慢性炎症
のことです。
この慢性炎症は、自覚症状がほとんどありません。
だからこそ、静かに進行する。
樺沢さんの表現を借りるなら、
これは「ボヤ火」のような状態です。
🔥 ボヤが「山火事」になると何が起きるのか

ボヤは、小さく見えます。
でも、放置すれば確実に燃え広がります。
- 身体で起きれば → がん
- 脳で起きれば → メンタル疾患
- 高齢期に起きれば → 認知症
もちろん、すべての病気が炎症だけで説明できるわけではありません。
ただし、多くの慢性疾患に炎症が関与していることは、
医学的にも支持されつつあります。
そして厄介なのは、
**「山火事になってからでは、消火が極めて難しい」**という点です。
❓ なぜ運動は「炎症を抑える」のか?

ここで、最も大事な問いに進みましょう。
なぜ、運動はこれほど多くの病気の予防につながるのでしょうか?
理由は一つではありませんが、
主に以下のようなメカニズムが考えられています。
- 抗炎症性サイトカインの分泌を促す
- 炎症性サイトカインを減少させる
- インスリン抵抗性を改善する
- 血流を改善し、老廃物の排出を促す
特に注目されているのが、
**運動によって筋肉から分泌される「マイオカイン」**です。
マイオカインには、
- 炎症を抑える
- 脳の神経可塑性を高める
- 気分を安定させる
といった作用があるとされています。
つまり運動は、
体を動かす行為でありながら、体内の環境そのものを整える行為なのです。
🧠 運動がメンタルに効くのは「気合」ではない
「運動すると気分がスッキリする」
これは根性論でも、気のせいでもありません。
運動によって、
- セロトニン
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
といった神経伝達物質の働きが整いやすくなります。
さらに、
慢性炎症が抑えられることで、脳の誤作動が起きにくくなる
という側面もあります。
メンタル疾患は「心の弱さ」ではなく、
脳の状態の問題。
だからこそ、
脳環境を改善する運動が、
治療・予防の両面で重要視されているのです。
🧓 認知症予防にも運動が効く理由

認知症についても、同じ構図があります。
- 脳内の慢性炎症
- 血流低下
- 神経細胞のネットワーク劣化
これらが重なることで、
認知機能は徐々に低下していきます。
運動は、
- 脳血流を増やす
- BDNF(脳由来神経栄養因子)を増加させる
- 炎症を抑制する
といった作用を通じて、
脳の老化スピードを緩やかにする可能性があると考えられています。
⏱️ 週120分が示す「現実的な希望」

樺沢さんが示している数字は、とても現実的です。
週に120分以上の中強度運動
これは、
- 1日20分弱 × 6日
- 30分 × 4日
といったレベル。
息が少し弾むけれど、会話はできる程度
(早歩き・軽いジョギング・自転車など)が目安です。
この程度の運動で、
- がん予防
- メンタル疾患予防
- 認知症予防
に関与する可能性があるとしたら、
これほどコストパフォーマンスの高い健康法は、
なかなかありません。
🌱 運動は「治療」よりも「予防」でこそ力を発揮する

重要なのはここです。
運動は、
山火事になってから消す道具ではない。
あくまで、
- ボヤのうちに
- 静かに
- 確実に
鎮火するための「消火剤」です。
だからこそ、
- 症状が出てから
- 気力がなくなってから
始めるのではなく、
何も起きていない今こそ、最も価値がある。
運動は、未来の自分への
最も確実な投資のひとつなのです。





















